1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 17:51:57.15 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「……そろそろ我慢の限界だ」
ルル「……同じ部屋に居るだけで吐きそうになる」
ルル「……」
ルル「なんとかしないとな……あの――」
ルル「――チーズ臭を」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 17:53:34.01 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「C.C.にピザを食べるのをやめさせるか?」
ルル「……いいや、それは不可能に近い」
ルル「C.C.にピザを食べさせない方法は48パターン」
ルル「……だが、そのどれもが俺の命が危険に晒される」
ルル「……」
ルル「くそっ! どうしたら良いんだ……!」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 17:56:27.77 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「何か、別の匂いで誤魔化すか?」
ルル「例えば、そうだな……日本のお茶のような消臭効果があるもの」
ルル「そういったものを一緒にとるようにさせれば良い」
ルル「他にも、コーヒーなどでも良いかもしれん」
ルル「……」
ルル「駄目だ……奴はコーラしか飲まん」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 17:58:41.88 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「常に歯を磨かせるように指示するか?」
ルル「……」
ルル「いいや、それは無意味だろう」
ルル「何せ、C.C.は常にピザを食べている状態だからな……」
ルル「上手く空白の時間に挟めれば良いのだろうが、肝心の空白が無い」
ルル「……ええい! 何か……何か良い手は無いのか……!?」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:00:18.65 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「奴の……C.C.の臭いを抑える方法は――」
コンコン
ルル「む? 誰だ」
C.C.『私だ、ルルーシュ』
ルル「!」
C.C.『入るぞ』
ルル「待っ――」
ガチャッ
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:02:23.01 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「っ……!」
C.C.「ん? どうした、ルルーシュ」
ルル「……な、なに、お前がノックをするとは珍しいと思ってな」
ルル(くっ……あまりの臭いに思考が纏まらん……!)
C.C.「ふふっ、そういう日もあるさ」
ルル「そうか……っ!」
ルル(おっ、おおおぉっ……!)
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:04:47.93 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.「……」
ルル「……」
C.C.「……」
ルル「……何だ? 何か用があったんじゃないのか?」
ルル(早く……早くどこかに行ってくれ……!)
C.C.「……少し、聞きたいことがある」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:06:22.46 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「だったら早く言え。俺はこれでも忙しいんだ」
ルル(そして、この臭いをどうにかしてくれ!)
C.C.「……なあ、ルルーシュ」
ルル「何だ?」
C.C.「……」
ルル「……」
ルル(どうした!? 早く言え! 言うんだ!)
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:08:36.48 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.「ルルーシュ、お前は……」
ルル「……」
ルル(ナナリー、俺をこの臭いから守ってくれ……!)
C.C.「……最近、私のことを避けていないか?」
ルル「ああ。何せ、くs」
ルル(ちいっ! 思わず普通に答えようとしてしまった!)
ルル「……そんな事は無い」
C.C.「今、“ああ”と言ったぞ」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:11:14.09 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.「……やはり、私を避けているのか」
ルル「いや、今のは――……」
C.C.「ふふっ、そう気を遣われるとかえって落ち込む」
ルル「C.C.……」
ルル(……!)
ルル(この流れを利用して、何とか柔らかくC.C.に伝えられないか!?)
ルル(『お前はチーズ臭い』と!)
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:14:16.13 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.「確かに、お前が私を避けるのもわかる」
ルル「C.C.、何を言っている」
ルル(まさか……自分のチーズ臭さに気付いているのか!?)
C.C.「憎んでいるんだろう? 私を」
ルル(正直……チーズを見るだけで怒りがこみ上げてくる)
C.C.「お前に、ギアスを与えたのは私だからな……」
ルル「――違うなC.C.、その考えは間違っているッ!」
C.C.「ルルーシュ?」
ルル(単にチーズ臭いだけだ!)
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:16:26.19 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「俺は、お前にギアスを与えられて感謝している」
ルル(ギアスではなく、チーズなんだ……!)
C.C.「……だが」
ルル「言っただろう、C.C.」
C.C.「……」
ルル「俺とお前は共犯者だ、とな」
C.C.「……ふふっ、そうだったな」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:19:29.92 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「共犯者であるお前をその程度の理由で避けると思うか?」
ルル「……だとしたら、お前の俺への見方を改めさせる必要があるな」
ルル(そんな事はどうでも良い……チーズ臭を何とかして欲しいんだ)
C.C.「ほう? どうするつもりだ?」
ルル「……」
C.C.「……やれやれ、これだから童貞坊やは――」
ルル「!?」
ルル(何故……ここで目を閉じる……!?)
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:22:25.41 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.「……わかるだろう?」
ルル「……いや……だが、それは……!」
ルル(このチーズ臭を至近距離でだと!?)
C.C.「ルルーシュ。お前は男で、私は女だ」
ルル「っ……!」
ルル(ええい! どうする!? どうすればこの状況を脱する事が出来る!?)
C.C.「さあ――答えを聞かせてくれ」
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:25:29.17 ID:Bm3N7kMJ0
ルル(ここでC.C.の望みに応えない事は可能だ)
ルル(だが、それでは……C.C.を傷つける事になる)
ルル(そうなっては……コイツが笑って死ねるようにはならん)
ルル(どうする……考えろ、考えるんだ……!)
C.C.「……」
ルル「っ――」
コンコン
スザク『僕だよ、ルルーシュ』
ルル「! スザクっ!」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:28:01.60 ID:Bm3N7kMJ0
スザク『ちょっと良いかい?』
C.C.「……やれやれ、邪魔が入ってしまったか」
ルル「C.C.、悪いが……」
ルル(これで最悪の状況は回避する事が出来た!)
C.C.「ああ。――答えは、後でゆっくり聞かせてもらうとしよう」
ルル「……」
ルル(先送りにされただけか……)
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:30:46.34 ID:Bm3N7kMJ0
スザク『誰か居るのかい?』
ルル「ああ、C.C.が居る」
C.C.「入って良いぞ」
スザク『本当に良いのかい? お邪魔虫になるのは御免だよ』
ルル「良いと言っているだろう」
スザク『そうかい、なら安心したよ』
ガチャッ
スザク「話っていうのは――臭っ!! えっ!? 臭い!!」
ルル「!?」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:33:59.42 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「この臭いは何だい!? くっ、うううっ!?」
ルル「おっ、落ち着けスザク!」
C.C.「? 何の臭いもしないが……」
ルル(ちいっ! やはり、C.C.本人は気付いていないのか!)
ルル(だが、このままではまずい!)
ルル「スザク、お前の気のせいじゃ――」
スザク「僕は『生きる!』」キュィィン
C.C.「ギアスが発動しただと……?」
ルル「……」
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:37:48.71 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「僕は『生きなきゃいけない』んだ!」キュィィン
C.C.「ギアスが発動する程、この部屋が臭うという事か……?」
ルル「!」
ルル(まずい! このままではC.C.が気付いてしまう!)
ルル「とにかく、部屋の外に出r」
スザク「おおおおおおっ!!」
プシュプシュプシュプシュプシュプシュ!
C.C.「! 冷たっ! やめろ、冷たいっ!」
ルル「何故ファブリーズを持っているんだスザクッ!!」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:41:08.78 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「そんな事はどうだって良い!」
プシュプシュプシュプシュプシュプシュ!
C.C.「わっ、あぷっ! やめろ、やめろっ!」
ルル「やめろスザク! このままでは――!」
スザク「止めないでくれルルーシュっ!」キュィィン
ドンッ!
ポキポキンッ
ルル「おぐうっ!? ほっ、骨が……!」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:44:02.66 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「おおおおおっ!」
プシュプシュプシュプシュプシュプシュ!
C.C.「やめろ、やめてくれ……!」
ルル「スザク……もうやめるんだ……!」
スザク「この臭いは、何とかしなきゃ――」
プシュプシュプシュ……カシュカシュカシュ!
スザク「ちいっ! ここでエネルギー切れだなんて!」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:47:31.39 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「こうなったら仕方ない……!」
スザク「ハッチ開放!」
ガラッ!
スザク「ルルーシュの部屋の臭い、出ます!」
ルル「ただ窓を開けただけだろうが……!」
スザク「……これで、僕は『生きる』事が出来る」キュィィン…
スザク「――うん、とにかくひどい臭いだったね!」
ルル・C.C.「……」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:50:41.14 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「驚いたよ……まさか、あんな臭いが待ち構えてるなんて」
ルル「ああ、いや――」
スザク「ルルーシュ、あれは新しい兵器かい?」
ルル「別に、そういう訳じゃ――」
スザク「……だとしたら、あまりにも非人道的すぎる」
ルル「……」
スザク「実用化は、絶対にやめるべきだ」
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 18:53:40.27 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「僕達が目指すのは、皆が笑顔でいられる世界だ」
ルル「ああ、そうだ。とりあえず、もうこの話はやめn」
スザク「あんな兵器があったら!
……誰も微笑むことなんで出来やしない!」
ルル「おい、人の話を聞k」
スザク「最低の臭いに、未来はない!」
スザク「君もそう思うだろう? C.C.」
C.C.「……」
ルル「!」
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:16:13.56 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「待て、スザク!」
ルル(ここでC.C.に話を振られるのはまずい!)
スザク「何をだい、ルルーシュ」
ルル「あ、ああ……とりあえず、お前がここに来た理由を言え」
スザク「ああ、その事か」
C.C.「……先に、私に今の行動を謝r」
スザク「『生きる』!!」
ルル「!?」
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:19:34.68 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「どこだ! どこに臭いが潜んでるんだ!?」キュィィン
ルル(C.C.が話した途端ギアスが発動した……)
ルル「っ――!」
ルル(……口臭かッ!!)
ルル「C.C.、口を開くなッ!」
C.C.「? 何故――」
スザク「そこかああああっ!!」
ボフッ!
C.C.「わぷっ!?」
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:22:45.23 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「……丁度ベッドに腰掛けていてくれて助かった」キュィィン
スザク「これで……僕達は『生きて』いける」キュィィン…
ルル「……」
ルル(……終わった、な)
ルル(C.C.に布団をかぶせるなど、C.C.が臭の元だと言っているようなものだ)
ルル「……くくくっ……くははははっ……!」
スザク「どうして笑っているんだいルルーシュ。
意味がわからないよ」
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:25:47.25 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.『……おい、今度は一体何だ』
スザク「ん?」
C.C.『ファブリーズをかけたり、布団をかぶせたり……』
ルル「……」
ルル(――いや、まだだ! まだ勝機は残されている!)
ルル(直接“臭い”と言っていないため、最悪のケースは免れている!)
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:27:36.03 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「それは――」
ルル「――なに、ちょっとした遊びのようなものだ」
C.C.『……遊び?』
ルル「ああ、そうだ」
ルル「……スザク、昔はよくこうやって布団で遊んだよな」
スザク「そういえば……確かにそんな事もあったね」
C.C.『……ふむ』
128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:30:19.35 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「夜もお話をしたいとせがむナナリーに頼まれて……」
スザク「そうそう! 布団を並べて、遅くまでしゃべってたっけ」
ルル「それで、朝起きられなくてお前は怒られてたっけな」
スザク「あったあった。ルルーシュとナナリー、僕をおいて起きちゃうんだもの」
ルル「寝坊するお前が悪いんだろう?」
スザク「……まあ、確かにそうだけど」
C.C.『……』
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:32:47.44 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.『……それで?』
ルル「C.C.。お前は、俺が避けていると思っていたんだろう?」
C.C.『……ああ』
ルル「お前は、避けている相手とこうやって騒ごうと思うか?」
C.C.『……いや、私だったら絶対に御免だな』
ルル「だろう? つまりは……そういう事だ」
C.C.『……』
C.C.『ふふっ、そういうことなら仕方ないな』
134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:35:51.37 ID:Bm3N7kMJ0
ルル(――よし! これで第一ステージはクリアーされた!)
ルル(……続いて第二ステージ!)
C.C.『……なら、ファブリーズをかけたのはどうしてだ?』
スザク「それは――」
ルル「――夏の暑い日は、水鉄砲を使っても遊んだな」
スザク「そういえば……確かにそんな事もあったね」
C.C.『……ふむ』
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:37:43.28 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「覚えてるか?」
スザク「忘れるはずがないさ」
ルル「ナナリーに応援されながらの水鉄砲の撃ちあい」
スザク「勝つのはいつも僕だったよね」
ルル「そうだったか?……ははっ、なんにしても懐かしい」
C.C.『……』
139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:40:09.61 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.『……それで?』
ルル「C.C.。俺とスザクは幼馴染だが、お前だけは違う」
C.C.『……まあ、そうだな』
ルル「だが、もしかしたらお前はそのことを気にしているかもしれない」
C.C.『……別に、そうは思っていなかったぞ』
ルル「だが、俺は気にしていた。
……だから、今からでも幼い日の思い出を作ろうと思ったんだ」
C.C.『……』
C.C.『ふふっ、中々可愛いことをするじゃないか、ルルーシュ』
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:44:18.73 ID:Bm3N7kMJ0
ルル(第二ステージもクリアー!)
ルル(……くははははっ! 俺のプランは完璧だ!)
ルル(残すは最終ステージのみ!)
C.C.『ルルーシュ……気を遣わせてしまってすまなかったな』
ルル「気にするな。俺達は共犯者なんだからな」
C.C.『……ああ、そうd』
スザク「えっ? 僕がC.C.にああしたのはC.C.が臭かったからだよ?」
ルル・C.C.「『……」』
ルル「――スザアアアァァァクッ!」
159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:49:14.69 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「ルルーシュ、こういう事はハッキリ言うべきだ」
ルル「それにしても、言い方というものが……!」
スザク「だったら、チーズ臭くてたまらないとで言えば良かったのかい」
ルル「そうじゃない! 例えそれが真実でも、
それをゆっくりと理解しなければならない時もある!」
スザク「でも、今はそうじゃない。だって凄く臭いもん」
ルル「語尾に“もん”をつけるな!」
C.C.『……』
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:51:52.12 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.『……ふふっ、そうか』
ルル「し、C.C.……?」
C.C.『私は……とんだピエロだったという訳か』
もぞもぞっ…
スザク「C.C.。丸まるのはいいけど、それじゃあ臭いは解決しない」
スザク「――いや! 布団の中が大変になるだけだ!」
ルル「ええい! お前はもう黙っていろ! スザクっ!」
173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:55:24.28 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.『……』
ルル「くっ……!」
ルル(どうすれば良い……どうすれば……!)
スザク「ルルーシュ、とりあえずはだけど……」
ルル「?」
スザク「C.C.を布団ごとカプセルに入れるのはどうだろう」
ルル「スザク、黙ってろ」キュィィン!
スザク「ルルーシュ、僕にもうギアスは効かないよ」
ルル「ああ、悪い。つい」
178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 19:57:34.51 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「……C.C.」
C.C.『……』
もぞもぞっ
スザク「お饅頭みたいだよ、C.C.」
ルル「っ!……悪いが、実はそういう事だったんだ」
C.C.『……やはり、私は臭かったんだな』
スザク「うん、そうだよ」
C.C.『……』
もぞもぞっ
185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:01:12.53 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「恐らく、毎日食べているピザが原因だろう」
スザク「毎日!? うわぁ、さすがに驚くね」
ルル「……だから、しばらくピザを控えれば良いだけの事だ」
C.C.『……』
もぞもぞっ!
ルル「それが嫌なら、香りがしないチーズを使用したピザを食べれば良い」
スザク「うん、僕が『生きる』ためにも是非そうして欲しい」
ルル「……」
188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:04:33.44 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「だからC.C.、そんなに気にするな」
スザク「僕としては、かなり気にしてくれると助かる」
C.C.『……一つだけ聞く』
ルル「……何だ?」
ルル(よし! 後もう一押しといった所まで辿りついた!)
C.C.『――私の臭いが取れなかったら……どうする?』
ルル「何……!?」
192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:07:17.38 ID:Bm3N7kMJ0
C.C.『臭いが取れなかったら、避け続けるのか?』
C.C.『私の存在は、チーズ臭があっては疎まれるものか?』
C.C.『……教えてくれ、ルルーシュ』
ルル「それは……」
スザク「すまないが、僕は君を避けるだろう」
ルル「! スザクっ!」
スザク「――けれど、ルルーシュはそんな奴じゃないよ」
ルル「すっ、スザクっ……?」
197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:09:45.41 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「僕は、ルルーシュの事をよく知ってる」
ルル「いや、その……何を……?」
スザク「君もそう思ってるんだろう? C.C.」
C.C.『……』
スザク「ルルーシュは、チーズ臭なんかで君への態度は変えない」
ルル「えっ、いや……」
スザク「そうだよね、ルルーシュ?」
ルル「……」
204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:12:44.48 ID:Bm3N7kMJ0
ルル(何だ……一体どうなっている……!?)
スザク「C.C.。僕はルルーシュの剣で、君は盾だと言ったね」
C.C.『……ああ』
スザク「剣も盾も、それを持つ手が必要だ」
C.C.『……』
スザク「だからルルーシュは――君から手を離すことなんてないよ」
C.C.『……ふふっ、まさかお前に教えられるとはな』
ルル「!?」
207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:15:46.32 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「――ごめんよルルーシュ、黙ってられなかったんだ」
ルル「……何をだ……」
スザク「C.C.が、君の事を誤解してたからだよ」
C.C.『誤解? スザク、それは一体何のことだ』
スザク「……もしかして、君はルルーシュを試してたのかい?」
C.C.『ふふっ! さて、どうだろうな?』
ルル「……」
213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:18:03.54 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「なんだ、それじゃあ結局僕は要らなかったんじゃないか」
C.C.『いいや、お前達の絆というものを見せてもらったよ』
もぞもぞっ
スザク「それはどういたしまして」
ルル「……」
ルル(俺は……C.C.がチーズ臭をさせている間も――)
ルル(――一緒にいなければならないのか……!?)
216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:21:19.61 ID:Bm3N7kMJ0
ルル(あの刺激臭と常に行動を共にするだと……!?)
ルル(馬鹿なっ! そんな事が出来るはずがない!)
ルル「何か……良いプランは――」
C.C.『……』
もぞっ!
C.C.「ルルーシュ、お前の口から答えを聞きt」
スザク「おおおおおっ! 僕は『生きなきゃいけない』んだああっ!」キュィィン
ドンッ!
ルル「なっ――!?」
222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:23:52.58 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「くっ……!? 急に押すな、スザク!」
ルル(状況はどうなっている!?)
ルル(スザクに押されて、それから――)
ふにっ
ルル「……む?」
C.C.「どこを触っている……ルルーシュ」
ルル「ほわあっ!?」
227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:26:43.36 ID:Bm3N7kMJ0
ルル(C.C.が目の前に居るという事は……)
ルル(――布団の中かっ!?)
ルル「――かひゅっ!?」
ルル(い……息が……出来ん……!)
C.C.「まさか……今、ここで答えを聞かせてくれるのか?」
ルル「あ……あぁ……!?」
ルル(体が……何かに拘束されているように動かんっ!)
233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:28:50.47 ID:Bm3N7kMJ0
スザク「僕は『生きる』!」キュィィン
がしっ!
スザク「だから、ここで君達を布団の外に出す訳にはいかないっ!」キュィィン
もぞもぞもぞっ!
スザク「無駄だよ。どう足掻いても、そこからは出られない」キュィィン
がしいいっ!
スザク「――さあ、ルルーシュ。答えを出してあげるんだ」
242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:32:00.50 ID:Bm3N7kMJ0
ルル(ははは……どうやら、もう逃げられそうにない)
C.C.「……」
ルル(目の前のC.C.がどんな顔をしているかわからん……)
ルル(目も見えなくなってきたし……なんだか眠くなってきたな)
ルル(……)
ルル(……愛しているよ……ナナリー……)
C.C.「――さあ、ルルーシュ……」
254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/10/22(木) 20:35:59.08 ID:Bm3N7kMJ0
ルル「……C.C.」
C.C.「……」
ルル「俺はお前に会えて……良かったと思っている」
C.C.「……そうか」
ルル「ああ……そうだ。だから、笑って――」
ちゅっ
C.C.「ふふっ、このキスで何度目になるかな?」
ルル「」
C.C.「……なあ……ルルーシュ――?」
おわり